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明治3(1870)年10月、県は旧藩領の割元(村役人の最上位)、庄屋、組頭、横目(家臣や人などの監察役)の村役人を出張所に集めて、大参事が「村高・戸数・人数を近日中に雛形のとおり報告せよ」と命じました。
雛形はすでに5月には作成されており、旧来の宗門人別帳とは異なるものでした。
人数については「平民・社務・修験・僧・尼などに分けて男女の人数を書き出すこと」と指示が出されました。
戸籍法は明治4年4月に布告され、翌5年2月1日から施行されることになりました。戸籍法がつくられたことで、寺請制度※は廃止され、宗門人別改帳※は戸籍へと引き継がれました。
※寺請制度・宗門人別改帳についてはこちらを参考にしてください
戸籍法では、戸籍編成の作業を進めるために、地域ごとに細かい区画「区」を定めました。一区はだいたい4〜5町、もしくは7〜8ヵ村としました。
各区には戸長・副戸長を置いて、戸数・人員・生死・出入などを調べさせました。
戸長、副戸長は、今までの村役人の庄屋・名主・年寄・触頭にそのままやらせてもよいし別人でもよいとしましたが、庄屋、名主、年寄といった村役人の呼称は廃止。戸長・副戸長が土地・人民に関するすべてを取り扱うこととしました。これが今で言う、市区町村長になります。
戸籍の「戸」は、家族あるいは親族の集団を意味しています。
戸籍制度とは、その「戸」の単位で国民を登録するしくみのことをいいます。
明治政府は、建前は「四民平等のため」、本音は税制と兵制の確立ため、明治3(1870)年に「今後、平民に苗字の使用を許す」という平民苗字許可令を布告しました。
そして上述の通り明治4年に「戸籍法」を発令。翌明治5年に戸籍制度が施行されて各地の役所で記録が保管されるようになりました。
その後戸籍は何度も改製をしてきました。
@明治5年式戸籍 明治5年〜明治19年(1872〜1886)
日本で初めて本格的な戸籍制度が開始されたのがこの「明治5年式戸籍」です。
この戸籍は実施の年の干支が壬申(みずのえさる)の年だったので、一般に「壬申戸籍」(じんしんこせき)といわれています。
戸籍の編成単位は「戸」で、本籍は住所地とされ、身分登録とともに住所登録も行っていたので、現在の住民票の役割もはたしていたようです。
差別的な内容も含んでいたため、昭和43年の通達によって各地方法務局封印保管され、一般には公開されなくなりました。
私が行っている先祖調査のなかで、稀に壬申戸籍に接する機会があります。もちろん役所で見れるわけではなく、多くの場合は地元の有力家や大地主だった家に保管されているケースです。江戸から明治にかけての貴重な家系情報です。
壬申戸籍についてはこちらもご参考に!
A明治19年式戸籍 明治19年〜明治31年(1886〜1898)
本籍の表示は変わりませんが、屋敷番ではなく地番が採用されるようになりました。
また出生、死亡、婚姻、養子縁組の記載もなされるようになりました。
また、除籍制度が設けられたのがこの戸籍からです。
身分事項欄は一人4行で狭いです。
B明治31年式戸籍 明治31年〜大正3年(1898〜1914)
「家」を基本単位とする戸籍制度が開始されました。
この戸籍の大きな特徴は、戸籍簿の他に「身分登記簿」制度を設けたことです。
身分関係の届出や報告はすべてこの「身分登記簿」に記載されるようになったのです。
ただ書き写すという手間のかかる制度だったため、大正3年戸籍法によって「身分登記簿」は姿を消す運命になりました。
C大正4年式戸籍 大正4年〜昭和22年(1915〜1947)
「身分登記簿」が煩雑であったため廃止し、「戸籍簿」に一本化されました。
「身分登録簿」を廃止したことによって、記載内容が詳細になったのがこの戸籍です。
記載内容は、「戸主」に関する情報が最初のページを大きく使って記載され、家族一人一人に、
・両親、生年月日、家族の中で占める位置(長男の嫁、孫)など
・継承者、族称(後に任意となる)
・現在の戸主との続柄、両親、生年月日
が記載されました。
D昭和23年式戸籍 昭和22年〜現在(1984〜現在)
全面的に戸籍法が改正され、現行の戸籍制度が制定されました。
戸主と家族を記載する家単位から、夫婦親子を単位として編成されるようになりました。
主な変更は、
・戸主から筆頭者という表現に変更
・前戸主の記載の削除
・配偶者、子供、生年月日、結婚、死亡、養子縁組、離婚、記録への入籍や転籍、続柄、性別、また分籍について記載されるようになりました。
E平成6年式コンピュータ戸籍 平成6年〜現在(1994〜現在、移行中)
平成6年に戸籍法及び住民基本台帳法の一部を改正する法律が施行され、紙によって調製されていた戸籍が、磁気ディスクに記録して調製してもよいことになりました。
いわゆる戸籍のコンピュータ化です。
全部事項証明は戸籍謄本に該当し、個人事項証明は戸籍抄本にあたります。
戸籍が作られることを「編製」といいます。
編製の原因としては、
・転籍
・家督相続
・分家
・婚姻
・分籍
などがあります。
戸籍がなくなる原因としては、
・改製、再製
・転籍
・廃家、絶家
・家督相続
・死亡や婚姻により戸籍内の全員が除籍となる
などがあります。
また、戸籍は過去の天災や戦争、火事などで消失することがあります。
その場合に作られることは「再製」といいます。
戸籍謄本とひとことでいっても、いくつかの種類があります。
戸籍謄本
現在使われている通常の戸籍(現戸籍)。普通、“戸籍”といえばこれを指します。
(戸籍抄本とは、その戸籍の中の一部の者だけが記載されている戸籍です)
除籍謄本
一つの単位の戸籍に記載されている人が除籍や死亡、転籍などによって誰もいなくなったものをいいます。
戸籍として名前が書かれているが、実際はその本籍には誰もいないという、いわば「戸籍の抜けがら」です。
死亡や婚姻で転籍した人には“×印”あるいは“/印”が書かれます。
除籍簿の保存期間は現在は“150年”です。
平成22年5月までは“80年”でしたので、既に多くの戸籍が廃棄されている可能性があります。
家系図作成に係わらず、戸籍は早めに取っておくことをお勧めします。
改製原戸籍謄本
戸籍は、戸籍法の変遷により、幾度も作り変えが行われました。
その際、新しい戸籍に作り変えられた際の、従前の古い様式の戸籍のことを「改製原戸籍」といいます。
つまり改正原戸籍とは、法改正によって作り替えられる元となった戸籍のことをいいます。
原戸籍(げんこせき)と読むと現戸籍(げんこせき)と混同するので、原戸籍(はらこせき)と読んでいます。
戸籍を集める際は、このような戸籍の種類について特に神経質になる必要はありません。
「除籍、原戸籍(はらこせき)を含め、「自分の直系尊属のすべての戸籍を集めたい」と言えばいいのです。分からない点があれば、役所の戸籍係りが親切に教えてくれるはずです。
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代表萩本勝紀
(行政書士・姓氏研究家・保育士)
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